基本情報 | |
ジャンル: | 青春、日常 |
著 者: | トネ・コーケン |
イラスト: | 博(ひろ) |
レーベル: | スニーカー文庫 |
ページ数: | 約290ページ |
概要
山梨県北杜市を舞台に、女子高生の小熊(こぐま)と愛車スーパーカブ50の日常を描く。
2017年5月に刊行され、2020年6月現在は6巻までが刊行されている。コミカライズもされており、さらにはスタジオKAIによってアニメ化が予定されている。
あらすじ
季節は春。新学期になり高校3年生になった小熊。。リトルカブに乗り始めた椎に誘われて家に行くと、今年から同じ高校の1年生になったという妹の慧海(えみ)を紹介される。
大まかな内容として「卒業後の進路」、「富士山の登頂」、「カブの致命的な故障」などなど、内容盛りだくさん。
カブはお金を払えば誰にでも買える。
本文より引用
私のカブもいい値段をつけてくれれば、いつでもお売りしますよ。
でも私はそのお金で、きっと新しいカブを買う。
まとめ
新キャラ恵庭 慧海(えにわ えみ)
椎の妹の恵庭 慧海が登場する。
椎の妹というのがウソに思えるくらいの大柄で、椎が140センチ未満なのに対して慧海の方は170センチを超えるくらい。
口数は少なく独りが好きなタイプ。軍隊やサバイバル術といったものに憧れがあり、そのためにクラスでは浮いた存在とのこと。服装もそういったものを好む。一言で言うならば、なんちゃって軍人。ただし麺類がすすれない。
小熊と礼子のチャレンジ
1巻で礼子がチャレンジしていた富士山の登頂にチャレンジする。
ただ今回は礼子一人ではなく、小熊と一緒に雑誌の取材のバイトという名目で、雑誌社の用意してくれたクロスカブ(CC110)を使う。
クロスカブ110
ハンターカブ110
礼子が本編中でも言っていたが、礼子のハンターカブの方が山登りには向いているように見える。全体的に細身だったハンターカブに対して、クロスカブはマッチョな印象。個人的に、せめてアップマフラーは継承してほしかった。
味のあるシニアキャラ
小熊がスーパーカブを買った店の主のシノさんと、椎と慧海の祖父が登場する。
シノさんは1巻から登場していたが、今回名前がついた。抜けているところはあるが、面倒見がよくて頼れる人。
椎と慧海の祖父は旅人。軽トラの荷台をキャンピングカーのようにしていて滅多に帰ってこない。小熊と礼子に対しても敬語で話す。慧海と同様に小熊が見上げるほどの長身。
物語一番の盛り上がり
時の流れが急ではあるが、盛りだくさんの本作。序盤は今後の進路などの学校関係の日常に焦点を当てつつも、夏休みにはクロスカブで富士山登頂にチャレンジしたり、カブを修理したりと忙しい展開。
そしてバイク乗りの多くが直面するであろう、「乗り続けるかどうか」が最大のテーマである。
カブに乗り始める前はモノクロで自動的だった小熊。カブに乗ることで広がった礼子や椎との関係も、カブを手放したら一緒に手放してしまうのではないかという恐れもある。これを察しての礼子の行動や、その他の人物の言葉が心に響く。
物語としてはひと段落ついた感じではあるが、今後が楽しみだ。
コメント