B’z LIVE-GYM 2003 BIG MACHINE【千秋楽レポート】

B'zB'z

会場

2003年12月27日
東京ドーム

メンバー

ギター:松本 孝弘
ヴォーカル:稲葉 浩志
キーボード:増田 隆宜
ドラムス:シェーン・ガラース
ベース:バリー・スパークス
ギター:大田 紳一郎

予備知識

このライヴの前日、テレビ番組に出演なさっていたのですが、どうも稲葉さんの調子がとてつもなく悪そうでした。直近の日程を見ると、24日と25日は東京ドームでライヴ、26日はテレビ出演、そして27日は東京ドームで再びツアーファイナルとなるライヴといった流れです。夏には15周年を記念するPleasureツアーもあり、休みなくアルバムツアーですから無理もなかったのかもしれません。
残念ながらこのライヴツアーは一部しか映像作品化されていません。同年に開催された「B’z LIVE-GYM The Final Pleasure “IT’S SHOWTIME!!”」に埋もれてしまっていますが、大変すばらしいツアーだったので、是非ともフル映像化していただきたいです。

セット

まず真っ先に目に入るのが、ステージの左右に1体ずつある真っ白い石膏像のようなギミックです。大きさは東京ドームの天井ぎりぎりくらいで布をかぶっています。その間を埋めるようにスクリーンが配置されています。

本編

<オープニング>
15分くらい遅れての開始でした。
照明が落とされ、スクリーンに崖を歩いている何者かの足元を映し出されます。歩みを進めていき立ち止まると、ハンマードリルのようなもので掘削をはじめます。大きなエンジン音と掘削音を響かせ、ツアータイトルロゴが映し出され、音がだんだんと1曲目の儚いダイヤモンドのイントロへと変わっていきます。

<1.儚いダイヤモンド>
前日のテレビ番組でのパフォーマンスが嘘だったかのようにパワフルな歌声の稲葉さん。特に大サビの前のシャウトは絶品でした。

<2.ultra soul>
間髪入れずに「ultra soul、ultra soul~」と煽り盛り上げます。大サビの前の松本さんの「Hey(ヴェイ)」も健在です。やはり最後は稲葉さんの「ultra soul」に答えてオーディエンスは拳を突き上げて「Hey(Hi)」のレスポンスとともにジャンプします。もちろんお約束の3回です。

<B’zのLIVE-GYMにようこそ>
これまでのライヴと違って、もったいぶったりせずにストレートに宣言しました。石膏像に爆発が起こり、布が落ちてはっきりと左側の石膏像が稲葉さん、右側の石膏像が松本さんを模していることがあらわになります。

<3.WAKE UP, RIGHT NOW>
某ビールのCMのタイアップ曲を爽やかに演奏します。

<4.野生のENERGY>
数か月前のPleasureツアーを彷彿させるように演奏が続きます。
スクリーンにはPVが映し出されています。松本さんが楽器屋の店員で稲葉さんが学校の先生に扮したあれですね。

<MC>
「こんばんは。BIG MACHINEというひとつの乗り物に乗ったつもりで、ときには緩やかに、ときにはメチャクチャに、最後まで楽しんでいって下さい」
といったような内容のMCを終えて次の曲へ。

<5.I’m in love?>
本人たち曰く「恋心Ⅱ」です。切々と演奏されます。

<6.ブルージーな朝>
ムーディーでアンニュイな雰囲気を魅せてくれます。ブルーの照明が曲の雰囲気を盛り上げます。

<7.愛と憎しみのハジマリ>
続けて「I’m in love?」、「ブルージーな朝」からストーリーを紡ぐように演奏されます。

<ブルースハープとコール&レスポンス>
稲葉さんがブルースハープで「学園天国」を吹き、オーディエンスにレスポンスを煽ります。しばらく続けた後に次の曲「Don’t Leave Me」のイントロをブルースハープで奏でます。

<8.Don’t Leave Me>
CDなどの音源よりも激しく生々しいブルースハープから始まります。それに松本さんのギターの音色が答えます。そして、ここにきて稲葉さんの声が明らかに無理をしていることに気づきます。しかしそれが荒々しくてかっこいいです。極めつけはもちろん最後のシャウトですね。
この曲の演奏は映像化されており、「B’z The Best “ULTRA Pleasure”」のおまけDVDに収録されています。

<9.MOTEL>
続けて同年代の曲です。前曲同様に儚さと力強さを感じる演奏にただただきき入るばかりです。

<10.ヒミツなふたり>
またまた続けて同年代の曲なのですが、一転変わってセクシーでコミカルに演奏されます。スクリーンにはダンスする女性のシルエット映像が映し出されていました。

<11.love me, I love you>
95年のBUZZツアーから高確率で演奏されている鉄板曲を演奏です。安定の一曲ですね。もちろんオーディエンスのレスポンスもばっちりです。曲が終わると稲葉さんが一時的にステージを去ります。

<12.華(TAKソロ)>
前回のGREENツアーに引き続き松本さんのソロです。スクリーンには華の映像が映し出されて切々と演奏されます。美しい・・・。

<13.CHANGE THE FUTURE>
再び稲葉さんがステージへ登場しての演奏です。スクリーンには炎の映像が映し出され、ステージ手前からは火の玉が噴き出す演出です。

<MC>
稲葉さんの
「BIG MACHINEの最大の燃料は、この東京ドームのお客様の声援でございます。そろそろこのBIG MACHINEをヒートアップさせて行きたいなと思ってるんですけれども。そのためには、この東京ドームの皆さんのYeahが必要です。」
といった内容のことを言った後に、何度かYeahをコール&レスポンスで煽ります。そして次の曲へ。

<14.BIG MACHINE>
7弦ギターを携えた松本さんがぶっとい音でギターを掻き鳴らし、さらには寝転がりながらぶっとい音を刻んでイントロへ入ります。いつもよりもヘヴィーなギターに稲葉さんのヴォーカルがのります。

<15.MOVE>
シェーンさんのドラムに合わせて「Hey! Hey!・・・」とオーディエンスを煽る稲葉さん。そして「Hey! Are you lady to move?」の問いかけとともにMOVEへなだれ込み、宣言通りエンジンをぶん回してきます。
セットの石膏像の一部が崩れ落ちて、そこから機械部分があらわになります。

<16.juice>
続けてシェーンさんのおなじみのドラミングから松本さんのギターがのってjuiceへ。途中メンバー紹介とおなじみのコール&レスポンスをはさみ、曲本編に戻ります。演奏中はjuice缶の風船みたいなものがアリーナ席上空を飛び回ります。

<17.さまよえる蒼い弾丸>

さらに疾走感のあるこの曲で加速します。大サビの「と~び~だしゃいい」の部分で稲葉さんが小高いところからジャンプしたりとアクティブな曲です。

<18.アラクレ>

前曲のラストの「もおっとはやく~」の部分が終わると同時に、「ドゥルン、ドゥルン」とエンジン音がきこえてきました。ステージにはなぜかオフロードバイクが4台登場しました。そしてジャンプ台らしきものあります。
松本さんのギターからはアラクレのイントロをスタートのシグナルにしたようにバイクが動き出し、ステージ右からステージ左へとバイクが次々とジャンプをはじめます。しかも高さはメインギミックの石膏像の顔と同じくらいです。ジャンプ中はハンドルだけをつかんだ状態で体を投げ出すようなアクロバットを魅せてくれました。曲が終わるとライダーたちにスポットライトがあたり、オーディエンスが歓声でねぎらいます。
この模様は「B’z LIVE-GYM Hidden Pleasure 〜Typhoon No.20〜」に収録されており、フル映像化されていないライヴとしては珍しく、テレビ番組などでB’zのライヴパフォーマンスを紹介するときには取り上げられやすい映像です。
後々のインタビューなどで彼らは「さすがにこの時は俺たちをみていなかった」と語っております。

<19.IT’S SHOWTIME!!>

バイクジャンプの興奮冷めやらぬ中、イントロと同時にサーチライトを模した照明が会場を包みます。曲のところどころにある「IT’S SHOWTIME」の部分ではサーチライトがオーディエンスへ向けられ、煌々と照らします。
演奏を終えると、メンバーは一度ステージを下ります。

ENCORE

「皆さん、BIG MACHINEの乗り心地はどうですか?今年15周年を迎えまして~
さっきも言いましたけど、BIG MACHINEの最大の燃料は皆さんの声援です。~
厳しいお叱りの声も受け付けて、飲み込んで、それを全て吸収して燃焼させて、少しずつ前に進むエネルギーに変えていきたいと思います。ほんとにどうもありがとう。最後にもう一度、この東京ドームの皆さんのYeahをください。」
といった内容のMCのあとに曲へ。

<21.Calling>

MCにオーディエンスがYeahで答えた後に、ライヴ用にアレンジしてあるハードなイントロが流れます。稲葉さんが「こ~の声がきこえるか~い?」の後に短く「Hey!」と付け加えてオーディエンスにレスポンスを促します。もちろんそれに答えて「Wow wow~」のレスポンスを返します。中盤をムーディーに演奏し、再び冒頭と同じ部分へ戻ってきたところでも、コール&レスポンスです。
このままこの曲は終わりません。さらにアウトロでディープにロックします。イントロと同じ松本さんのリフに合わせて、稲葉さんがシャウトを合わせる。そこからリフの速さが加速していき、さらに「I’m calling you! Yeah Yeah!!」とシャウトを合わせます。

<22.ギリギリchop>

イントロが流れると同時に、オーディエンスが布を準備してグルグル回します。そしてやはりこの曲のメインディッシュであるといっても過言ではない、松本さんのギターソロでは一番の盛り上がりをみせます。曲の終わりに大きな爆発音が炸裂してライヴの終わりを告げます。

そしておなじみの稲葉さんの「せーのっ」に合わせて、オーディエンス一同の「お疲れ~」で締めくくります。

まとめ

稲葉さんの喉の調子が悪いということもあって、時折それを感じさせるところもありましたが、やはりプロフェッショナルです。むしろ曲によっては荒々しさが際立っていて、BIG MACHINEのツアータイトルに相応しくてかっこいい曲もありました。特に「Don’t Leave Me」の最後のシャウトは攻撃的で琴線に触れました。
松本さんのソロ「華」から「CHANGE THE FUTURE」、「BIG MACHINE」へとつながるギター演奏の流れは、梅雨のしっとりとした雨から嵐へと変化していくようで、何とも言えないわくわくがありました。
当時原付バイク(HONDA Monkey)に乗っていて、さらに排気量の大きなバイクの免許を取りたかった私にとって、「アラクレ」の演出は感無量でした。そもそもチケット代(当時は7000円)であれを見れたこと自体が、今考えてもコストパフォーマンス高すぎです。
千秋楽である今回のレポートの公演では演奏されませんでしたが、12月に入ってからはアンコールの1曲目に「いつかのメリークリスマス」を演奏したそうです。もどかしいです・・・

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