基本情報 | |
ジャンル: | メディカルミステリー |
著 者: | 知念実希人(2020年3月に著書「仮面病棟」の実写映画が公開) |
イラスト: | いとうのいぢ (「涼宮ハルヒシリーズ」や「灼眼のシャナ」のイラストが有名) |
レーベル: | 新潮文庫nex(2014年10月刊行) |
ページ数: | 約290ページ |
概要
見た目は小柄な女子高生、中身は天才で変人な診断医の天久鷹央(あめく たかお)と、見習い内科医の小鳥遊 優(たかなし ゆう)のアラサーコンビが、勤務する病院を主軸に様々な謎や事件を解決する医療ミステリー。シリーズには「天久鷹央の推理カルテ」と「天久鷹央の事件カルテ」がある。
2014年10月に刊行され、2020年6月時点でもシリーズは続いており、累計120万部以上を売り上げている。
あらすじ
天医会(てんいかい)総合病院には診断を専門とする部署がある。その名も統括診断部。そこには診断困難とされた患者と不可解な事件の相談依頼が集まる。
そんな集められた病気(ナゾ)を天久 鷹央と小鳥遊 優が解決する。
本書の時系列的には二人が出会ってから4か月経ったころの話。
「お前の病気、私が診断してやろう。」
まとめ
まずは、読者に医療の知識がなければ、物語の中で起こる謎や事件を推理できない。大半の読者は知識がないと思うので、自分自身が推理を楽しみたい人は物足りないかもしれない。逆に物語に翻弄されたい人には非常におすすめ。
文章も基本的には難しい専門用語などは使われておらず、優の一人称形式で進み、娯楽小説としてサクサク読める。
鷹央と優の関係も面白い。
語り部の優から見ると、鷹央は年下の上司なのだ。それと同時に、見た目と行動が幼く見えるために保護者という立ち位置にもなる。最初のうちは好奇心旺盛な鷹央に頭を悩ませながらも、手となり足となり強引に引きずられる。しかし結局はやれやれと協力し、徐々に鷹央を理解していく。
イラストを描いているのがいとうのいぢさんということもあり、この二人の関係が「涼宮ハルヒシリーズ」のハルヒとキョンの関係と説明するとわかりやすいかもしれない。
舞台は病院ではあるが、ほぼお仕事小説的な一面は感じられない。本格的な医療ミステリーではあるのだが、病院を舞台にアラサーの二人が青春している。
勝手な希望ではあるが、アニメ化する際は「京都アニメーション」にぜひお願いしたい。
キャストの希望
・天久鷹央→平野綾
・小鳥遊優→杉田智和
・鴻ノ池舞→後藤邑子
・天久真鶴→茅原実里
(敬称略)
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