スーパーカブ

書籍レビュー
7.2

ストーリー

7.0/10

キャラクター

6.8/10

読みやすさ

6.2/10

読了感(満足感)

7.6/10

続きを読みたい

8.6/10

いいところ

  • 女子高生+スーパーカブ
  • 日常感
  • 距離感
  • 登場人物がごちゃごちゃしていない

悪いところ

  • 多少バイクに興味がないととっつきづらい
  • 原付の限界を悟るのが早い
基本情報 
ジャンル:青春、日常
著  者:トネ・コーケン
イラスト:
レーベル:スニーカー文庫
ページ数:約290ページ

 

概要

山梨県北杜市を舞台に、女子高生の小熊(こぐま)と愛車スーパーカブ50の日常を描く。
2017年5月に刊行され、2020年6月現在は6巻までが刊行されている。コミカライズもされており、さらにはスタジオKAIによってアニメ化が予定されている。

あらすじ

主人公の小熊は親がいなく、奨学金で高校に通っている。友だちもいないし、趣味もない。そんな彼女はひょんなことから、免許を取ってホンダ・スーパーカブ50を買う。カブに乗ることをきっかけに彼女の世界は徐々に変化していく。

「お好み焼きまだぁ~?
お腹空きすぎてガソリン飲みたくなる~」

まとめ

バイクへの視点
多少バイクに興味がないととっつきづらい一面もあるが、バイクに乗っていた人、これから乗ろうとしている人にとってはおすすめ。バイクに乗っていく上でのあるあるが初心者の小熊の視点で体験できる。また、スーパーカブという限定されたバイクにメインスポットを当てながらも、バイクというもの全体にも上手くスポットを当てている。多少早くは感じるが、小熊が50CCという排気量に限界を感じるのは非常に納得できる。

小熊と礼子
メインキャラクターは小熊と礼子の二人だけだが、べったりくっつきすぎないほど良い距離感の人間関係がいい味を出している。互いに自分の世界を持っていて、共通するスーパーカブという世界で交流する。そのひとときがいい。
また二人とも何かに挑戦するところがあり、誰でも体験することではないが、バイク経験のある人なら思わず応援したくなってしまう。

小熊
小熊一人に焦点を合わせても、最初のうちは空っぽで無機質な印象を受ける。口数も少ないこともあって、自動的に日々を過ごしているように感じる。
しかし、カブを買ってから徐々に変化していく。口数が増えたり、行動やセリフから彼女の内面がこぼれ落ちていく様子は、読んでいて微笑ましい。

スーパーカブは本当にかっこ悪いだろうか?

スーパーカブの一般的なイメージと言えば郵便屋さん、新聞屋さん、農家のおじいちゃんなどのイメージだと思う。辛辣な言い方をすれば地味、遅い、かっこ悪いといった意見のほうが強いと思う。
しかし実際はどうだろう。他の原付と比べても確かに値段は高い傾向にあるが、燃費と丈夫さを考えるとコスパ最強クラスだ。スピードも決して遅いわけではなく、排気量相応の力がある。個人的に不満を言うとすると、クラッチがなくてギアがロータリー式ということくらい。個人の美的センスにはなるが、見た目も悪くない。

結論。スーパーカブはかっこいい。

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