キノの旅 -the Beautiful World-

書籍紹介書籍紹介
表紙

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基本情報
ジャンル:ファンタジー
著  者:時雨沢 恵一
(他の作品に「アリソンとリリア」シリーズ「ガンゲイルオンライン」などがある)
イラスト:黒星 紅白
(他の作品に「アリソンとリリア」シリーズ「ガンゲイルオンライン」などがある)
レーベル:電撃文庫(2000年3月より刊行中)

概要

2000年3月に刊行され、2020年現在も続いているラノベの長寿作品。2003年にアニメ化され、それをベースに同年にゲーム化、2005年に映画化された。その後時を経て、2017年に完全新作として二度目のアニメ化がされた。
作者曰く、モデルは「銀河鉄道999」

あらすじ

この世界にはいわゆる都市国家がたくさんあり、多くの国が外壁で囲まれている。その国の中にはいろいろな価値観や文明や慣習があり、自分たちとは違った価値観の世界をメインキャラクターたちがそれぞれ旅していく。
乗り物がしゃべることが一般的に受け入れられているが、必ずしもしゃべるわけではない。
基本的には一話完結型で、大まかな時系列はあるものの、明確になっていない。

キノの話
本作のメインの主人公のキノが、言葉を話すバイクのエルメスに乗って旅をする話。キノの「同じ国には基本的に3日しか滞在しない」というルールを基に話が進む。

シズの話
シズと陸とティーが移住先を求めてバギーに乗って旅をする。

師匠の話
キノ、シズ、フォトから見て過去の話。キノの師匠が若かった頃に、相棒と一緒にボロボロの車に乗って
旅をしていた頃の話。

フォトの話
写真屋フォトと口の悪い折りたたみバイクのソウの話。他の旅人とは違い、定住している国を主軸に話が進む。

それ以外の話
それ以外の人物の視点で語られる話。

登場人物

キノ
・年齢は10代の中頃くらい・黒の短髪
・クール・運動神経と銃の腕が抜群
・食いしん坊・貧乏性
エルメス
・しゃべるバイク・陽気でおしゃべり
・よく言い間違いをする・物理や科学に詳しい
・視力や聴力が人間よりもいい・「ブラフ・シューペリア SS100」
というバイクがモデル
シズ
・落ち着いた青年・緑のハイネックセーター
・腰に日本刀(達人)・頭も運動神経もいい
陸(りく)
・しゃべる白い犬・いつも笑ったような顔
(生まれつき)
・言葉づかいは丁寧だが毒舌・自称「シズ様の忠実なる下部」
ティー(ティファナ)
・少女・超がつくほどの寡黙で無表情
・頭脳明晰(シズ以上)
師匠(旅をしていた頃)
・妙齢の女性(若い女性という意味)・独特な黒のロングヘアー
・丁寧な言葉づかい・冷静沈着
・利益主義・戦闘能力、知能が高い
(作中ではチート)
・幽霊やお化けがが苦手
相棒
・少し背が低くてハンサムな男性・飄々とした性格
・戦闘能力、知能が高い
(師匠ほどではない)
・霊感が強い
フォト
・17歳の女性・真面目で誠実
・戦闘能力なし・写真屋
ソウ
・しゃべる折りたたみバイク・口が悪い
・フォトのアドバイザー・視力や聴力が人間よりもいい
・モデルは「HONDA モトコンポ」

まとめ

一話完結という読みやすい構成で、まるで昔話や絵本を読んでいる感覚でサクサク読めます。私自身高校生の頃に読み始め、20年弱の月日が経ちますが未だに読み続けています。

肝心の内容ですが、昔話や絵本の物語のようにメルヘンチックでは全くありません。きっかけ、経緯、状況はその時その時で様々ですが、頻繁に人の死の描写がされています。メインキャラクターたちも決して完全な善人でもありませんし、ヒーローでもありません。個人の価値観を持って生きています。
そんな登場人物たちを感じて「哲学できる作品」です。

著者である時雨沢恵一さんのいろいろな、「これをどう思いますか?」が私たち読者を飽きることなく楽しませてくれます。

余談ですが、22巻では20周年ということもあり、20年後のキノ、エルメス、シズ、陸、ティーの姿が黒星紅白さんのイラスト付きで読むことができます。いろんな意味で衝撃ですよ。

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